音楽学校メーザー・ハウスが運営する国内最高峰のJAZZ教育機関「JAZZ LABO - ジャズ・ラボ」
コピー
久々にコピーをしている。原稿仕事の都合等もあり、何曲か改めて採譜してみようと思ったのだ。そういえば、いつだったか生徒から「先生の書いたあのコピー集、あれは『耳コピ』ですか?」と聞かれたことがあった。
「耳コピ」とはなんぞや、と逆に尋ねると「自分の耳で聞き取って採譜する(演奏する)こと」
だと言う。知らなかった。コピーと言えばそれは自分で聞き取る以外にどんな方法があると言うのだ。生徒によれば楽器店等でコピー集やバンドスコアを買ってきて弾くのが「普通のコピー」、それと「耳コピ」は別だと言う。驚いた。まさか、コピー集を出すのに他の譜面を買ってきて書き写すと言うのか?では、その最初は一体誰が書くと言うのだ。開いた口が塞がらなかった。
しかし、時代は変わったな、自分も歳をとったのかと思った次第です。
そもそも、自分の中学の頃は楽器店に行ってもそれほど多くの楽譜は売っていなかったように思う。あってもタブ譜は発展途上、まだ出始めの頃で「なんだこりゃ」的な扱いだっただろう。ディープ・パープルやツェッペリンの楽譜集は売っていたような気もする。
しかし、楽譜がスラスラ読めるわけでもないので、譜面を見るより耳で聴いて弾いたほうが断然早かった。多くの人がそうだと思うが、サウンドや細かいニュアンス、他のパートや全体の状況、これらをイメージとして掴むことができた。
譜面はある程度売っていたが、大体、やりたい曲の譜面はそもそも売ってもいなかったしね。
ところで「耳コピ」という言葉について、これは面白いので勝手に推測しているのだが、この言葉はCDの普及とともにじわじわ浸透した言葉ではないか、という推測(憶測)。
我々のコピー元のメディアは絶対的にカセットだった。CDが普及してもCDプレイヤーでコピーすることは自分に関してはなかった。
巻き戻しを少し押すとド頭に戻ってイライラしたからだ。しばしばそれは起こり、そのたびに作業を中断してコーヒーを飲んだり一服したりするので一曲取るのに何時間かかるかわからない。カセットはその点「アナログ物理マシン」だから手加減で巻き戻しができる。大体思ったところへ巻き戻すことができた。コピーにはカセットが最適と思う。「耳コピは苦手だ」という生徒が多くいるが、実はこれが原因なのではないかと思う。カセットを使ってみるといい。しかし、今は時代も進んだ。音楽を波形で表示してくれるコンピューター・ソフトがある。これは「耳コピ」効率では間違いなくカセットの上を行く。自分のコピーの精度もぐっと上がっていると感じる。
※これからは「耳コピ」なんて言葉はやめて「トランスクライブ
(transcribe)」という言葉を使うことをオススメする。 本文:矢堀孝一
2010年2月 9日 10:34







